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last-cinema

最後の映写機をまわす。ただ生きた、それだけの記録のために。

ホームにて

駅のホームで突然
声をかけられて気がついた
気絶していたことに

目指していたところから
遠く離れて立つ自分

声をかけたのは
20年前の同級生
手をつなぐ小さな子
その視線に耐えられない

そんな目で見られたら

失われた20年を思った
気絶していた日々
誰が悪いのではなく

ただ、生きた
それだけの日々

欲しいものを
欲しいと言わずに
目をそらして

そう言えば彼女は
欲しいものを
欲しいと
20年前から言っていた

電車を一本やりすごし
後ろ姿を見送った

乗りたかった電車を